津南町(新潟) 烏帽子形山(546.1m)、城峰(477m) 2023年3月5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:36 駐車余地−−5:50 墓地−−6:19 尾根に乗る−−6:36 烏帽子形山−−7:08 トラバース 7:12−−7:25 城峰−−7:48 車道−−7:54 駐車余地

場所新潟県中魚沼郡津南町
年月日2023年3月5日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場県道路側に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無残雪に埋もれて無し。無雪期の状況は不明
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー、10本爪アイゼン、ピッケル
山頂の展望烏帽子形山:良好
城峰:悪い
GPSトラックログ
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コメント辰ノ口から反時計回りに周回。まだ雪が締まり切っていないのでスノーシューが大活躍したが、傾斜がきついトラバース箇所ではアイゼンに履き替えた。素直に尾根上を歩けばスノーシューのままで行けただろう。烏帽子形山は展望良好だったが日の出直後の逆光で尾瀬や上越国境の山々は良く見えなかった




除雪された駐車余地 駐車余地から見た烏帽子形山
標高300m付近の墓地。黒い物体が墓石の頭 墓地から見た越後三山。八海山は越後駒ヶ岳と重なっている
標高320m付近で墓地から樹林帯へ 足首程度の潜り方。クラストしているので踏み抜きとなり疲れる
標高370m付近。傾斜がきつい 標高430m付近で尾根に乗ると雪が締まって快適!
6時半前に日の出 積雪は1mくらいか
標高510m付近 無雪期の藪は薄そう
烏帽子形山山頂。今は雪庇が最高点 烏帽子形山から北東を見ている
烏帽子形山から見た東〜南の展望(クリックで拡大)
烏帽子形山から見た越後三山。逆光で写りが悪い 烏帽子形山から見た谷川岳付近
烏帽子形山から見た駐車余地 烏帽子形山から西を見ている
烏帽子形山西側に出ると城峰が見える 西へ続く稜線。北側は切れ落ちている
切れ落ちた北斜面は土の崖 南の緩斜面へ下る
無雪期は湿地帯らしい。フキノトウが顔を出していた 標高490m付近
自分のトレースを振り返る そろそろ平坦地が終わる
平坦地が終わって城峰が姿を現す トラバースはきつそうなので尾根を少し上がってみる
標高520m付近からトラバースすることに スノーシューでは無謀な傾斜なのでアイゼンに履き替える
トラバースが終わって城峰に続く尾根に乗る 城峰に向かって下っていく
鞍部からの登り返し 氷山。雪があるうちに登るか
城峰直下のカモシカの足跡 この上が城峰山頂
城峰山頂。樹林で展望が悪い 城峰から東へ向かう
城峰山頂東直下は開けて展望良好 南を巻いた570m峰
430m肩で右へ 標高390m付近から見た烏帽子形山
標高320m付近は地形図では読み取れないが急斜面 急傾斜が終わる
尾根が終わると水田地帯らしい 下ってきた尾根を振り返る
スノーシュー跡登場 農業施設だろうか、大掛かりに除雪中
車道に出た 県道に合流
駐車余地到着


 千曲川左岸の長野北部/新潟県境に跨る関田山脈から東に続く稜線上には未踏の山がいくつもある。標高が低いのでもしかしたら藪が薄く無雪期でも登れる可能性があるが、豪雪地帯なので低くてもいきなり高密度の灌木藪の可能性があり、藪のリスクを避けられる残雪期が安全であるのは間違いない。今回は前日に登った猿倉山、堂平山の疲労が残るので軽い山で切り上げたいこともあり、帰り道の途中にある烏帽子形山と城峰を狙うことにした。

 ルートは雪の締まりが期待できる南側の県道からで、2つの山を繋いで周回が可能だ。ただし正直に稜線を歩くと烏帽子形山西側の602m峰を登る必要があるが、地形図を見ると稜線の南側、標高470m〜510m付近に等高線の幅が広い平坦地があり、烏帽子形山の山頂を踏んだらここに下って602m峰を巻いて城峰に続く尾根に接近し、最後は斜面をトラバースして尾根に乗る計画だ。雪質にもよるが所要時間はおそらく2時間程度だろうと予想した。。

 昨日より朝は冷え込んで車の窓ガラスの水滴は凍っていたが、これは雪質を考慮するといい傾向だ。県道に一か所だけ道路上の除雪した雪を路側に押し出すためのスペースがあり、この時期はいい駐車余地になっているので利用させてもらう。日当たりがいい場所なので下山することには車の中が温まっているだろう。

 日の出前のライトがギリギリ必要な僅かに明るくなった時間帯に出発。冬装備は昨日と同じスノーシューにピッケル、10本爪アイゼンだ。トラバースがあるので念のためにピッケル、アイゼンを持つことにした。

 最初は県道を横断して緩い斜面に取り付くが、ここは除雪した高さ1.5mほどの垂直の雪壁で靴底の柔らかい長靴では難儀する。ピッケルを打ち込んで腕力で体を引き上げて突破した。

 雪壁の上は昨日同様に雪に埋もれた水田らしく水平な段々になっていた。立木が無く日当たりがいいので雪の締まりは最高でつぼ足でも全く沈まない。これが山頂まで続くとありがたいのだが、傾斜がある樹林帯の斜面に入ったとたんにズボっと潜り、たまらずスノーシューを装着。これで沈み込みは足首程度までになったが昨日よりもクラストが固く、沈んだ時の足への負担が昨日より大きい。もう少し固くなればスノーシューで全く沈まなくなるのだがまだ時期が早いので仕方ない。

 樹林の斜面を抜けると再び樹林が開けた雪原に変わるが、今度は棚田状ではなく緩斜面のままで、何やら雪面に黒い物体がいくつも頭を突き出していた。何かと思って見てみたら墓石で、ここは墓地であった。積雪期は誰も入らないようで除雪されていなかったし足跡も皆無。ここからは展望が良くて南には苗場山、東には越後三山が見えていた。墓地内は日当たりがいいのでスノーシューでは全く沈まなくて快適に歩けた。

 墓地を抜けると短い植林で雪質が悪化、すぐに明るいブナ林に変わるが雪質は思ったよりは悪く足首程度までコンスタントに沈む。しかも体重をかけると沈むので体力の消耗がきつく、スノーシューでキックステップを行って雪面を割って体重をかける前に沈み切るようにする。スノーシューは重いのでキックステップは疲れるが、踏み抜くよりはずっと体力消耗が少ない。ここは南向きではなく東向きの斜面だから雪質がイマイチかもしれない。徐々に傾斜がきつくなるが私のスノーシューは傾斜地にも対応するので問題なし。

 最後は結構な傾斜であったがスノーシューの威力で突破して南東向きのブナの尾根に乗ると雪質が格段に良くなってスノーシューでは全く沈まなくなった。こうなるとキックステップが不要で体力も時間もかからずに楽に登れるようになる。尾根上には雪に埋もれた古いカモシカの足跡が見られた。

 この尾根はそこそこ傾斜はきついが特に危険個所はなく、藪が出ている箇所も無くて歩きやすかった。尾根を登っている途中で日の出を迎える。昨日はこの時間は雪が降って日差しは皆無だったのが嘘のような快晴である。

 そして登り切った箇所が烏帽子形山山頂だった。この時期の最高点は雪庇で、地面が全く見えないので積雪量は不明だが、途中で見た積雪が1m程度であったのを考えると2m近くあるのではなかろうか。雪庇のおかげで展望は良好だが一部の方向は杉の木で邪魔されるため360度の大展望とはいかない。それでも東から南にかけては邪魔するものは無く、越後三山、尾瀬、双耳峰の谷川岳(燧ヶ岳かと思っていた)、苗場山などが見えていた。ただし東方向は日の出の逆光で遠くの山々の展望はイマイチであった。

 次は城峰。計画通り602m峰を巻くので烏帽子形山から尾根を西に進んで適当なところで南に下る。烏帽子形山から602m峰を結ぶ尾根の北側はすっぱりと切れ落ちて土の崖と化していて雪面は南に傾斜しており、スノーシューで歩くには具合が悪い。横に傾いた雪面をスノーシューで歩くとアイゼンの歯とビンディングのあるステンレスの金具に強い応力がかかり破断の可能性がある。私のスノーシューはこれが原因で過去2回、トラバース中に同じ金具が破断している。前後方向の傾きは許容されるが左右方向は弱いのであった。今使っているスノーシューはフレームの摩耗が進んでいるので、次に金具が破断したらもう買い替えかな。金具の交換で\20000くらいかかるので、もう1回交換したら本体の購入価格を越えてしまう。今は円安が進んでいるので輸入部品はさらに高額化しているだろう。

 平坦地に出ると高度を落とさないようにできるだけ水平に進む。穴が開いたような雪面が切れた場所は水が流れる場所と思われるが、そこには水芭蕉ではなくフキノトウが顔を出していた。でもおそらくかなり湿った場所だろう。それとも雪解けの時期尾が過ぎると乾燥するのか?

 平坦地内には植林された場所があり、地形図に記載されていない林道があるように見えた。杉が植えられているがまだ花粉は飛ばしていないようで目の痒みは皆無。でももう少しするとここでも花粉の時期を迎えるのだろう。谷が切れ込んだ部分は右に迂回してなおも水平に進み、最後の植林帯を抜けると水平区間が終わって小尾根に出た。この尾根は城峰に続いているわけではなく目的の尾根はもう一本先にある。その尾根はここから良く見えており、最短で達するためにはこのままトラバースであるが、かなりの急斜面の上に小さいながら途中に急峻な谷がありやっかいそうだ。そこで面倒ではあるが小尾根を登ってトラバースの長さを短縮し、安全に通過できそうな場所を探すことにした。そんな斜面が無ければ尾根が合流する標高540mまで登ることになる。

 左手の斜面を見ながら登っていくとトラバースできそうな場所を発見。相変わらず傾斜は急なのでスノーシューは無理でありアイゼンに履き替えて手にはピッケル。立木が少ない日当たりがいい斜面であるがアイゼンではズボズボ踏み抜く雪質で難儀するが、おかけで滑落のリスクはほぼ無かった。今回持ってきたのは10本爪アイゼンであるが、こいつは軽量なので爪の長さが短くグリップ力はイマイチである。もし雪質がガチガチだったらこのアイゼンでは危険だったであろう。そのためのピッケルなのだが。

 開けた斜面から杉の植林帯に入れば無事にトラバースを越えて目的の尾根に乗るが、まだ尾根はバラけて不明瞭で急斜面にしか見えない。少しの間アイゼンのままで斜面を下ったが股まで踏み抜く雪質で下りでも体力を消耗するのでスノーシューにスイッチ。沈み込みは足首までに収まって格段に歩きやすくなった。

 傾斜が緩むと尾根が明瞭化、すぐに最低鞍部を通過して登りに変わる。城峰山頂直下は短いながら急傾斜で新しいカモシカの足跡があった。おそらく今日歩いたものではなく昨日のものだろう。

 登り切ったピークが城峰山頂で、開けているかと思ったら樹林で展望は良くなかった。烏帽子形山と同様に山頂標識は無し。まあ当然と言えば当然か。

 ここからは左にルートを変えて東に延びる尾根を下っていく。この尾根は烏帽子形山から西に延びる尾根と同じく左側が切れ落ちて雪面は右に傾いた状態が続き、スノーシューに横向きの力がかかり続けて壊れないかと心配になるし、足には特定の筋肉に力がかかって妙な場所が痛くなる。

 430m肩で再び尾根が右に屈曲。なおも左側が切れ落ちており尾根直上でも雪面は右に傾いたままで歩きにくい場所が多いが、尾根幅が広がるとやっと尾根の真上の水平な雪面を歩けるようになる。尾根の末端に近い標高320m付近では地形図では読み取れないが急斜面があり、スノーシューでは下りが厄介な場所なのでバックで下った。

 短い植林帯を抜けると幅が狭い水路を跨いで樹林が無い開けた雪原に出る。おそらく水田なのだろう。不明瞭ながら尾根地形はまだ続いているのでその方向に緩やかに下るとスノーシュー跡が登場。斜面には向かわず水田地帯を南下しており、登山者ではないだろう。このスノーシュー跡を辿ると除雪中の大きな建物が登場。農業施設と思われた。ここに達する車道は除雪されておりここでスノーシューの出番は終了。今日も良く働いてくれた。

 あとは車道歩き。県道までは僅かな距離で、駐車箇所まで2,300mであった。


 今週末の2つの山行でスノーシュー、アイゼン、ピッケルでの山歩きの勘を取り戻すことができた。防寒長靴でのスノーシューとアイゼンの装着状況も把握できて今後の残雪期でも安心して防寒長靴が使えることが分かったが、安物の長靴なので耐久性に乏しく早くも足首付近にゴムの裂け目ができていた。今回は雪が溶けるほどの気温上昇は無かったのでここから浸水することはなかったが、季節が進むと日中は雪が溶けてビシャビシャになるので浸水しそうである。長靴は安価なので追加で購入しようとしたが、既に店は春物商品に切り替わっていて防寒長靴は販売していなかった! しょうがないので破損個所に強力なテープでも貼ってごまかすしかなさそうだ。それとも温かくなれば防寒長靴ではなく普通の長靴でも厚手の靴下と防寒インソールを併用すれば大丈夫かな?

 

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